環境ITベンチャーのアースデザインインターナショナル(EDI、東京都港区、塚本英樹社長)は10月10日から、GPS搭載の携帯電話で産業廃棄物の運搬経路が確認できる新サービス「えこ証明」の取り扱いを開始する。これまで地点ごとの「点」でしか確認できなかったものか「線」で確認できるようになり、廃棄物処理の透明性をより高めることができる。また、廃棄物管理体制などを評価する「えこ評価」のサービスも順次始めており、これらを合わせて企業が排出から最終処理までをより明確に管理し、コンプライアンス体制を確立できるように支援していく。
今回のサービスはGPS機能付きの携帯電話の普及に対応したもので、三菱電機の位置提供サービス(COCO-DATES)の技術を利用して時間、位置、経路、画像の4つで適正処理を確認できる。GPSを利用して最終処理場への経路、処理した位置を衛星で測定し、客観的に証明されるデータを提供する。位置の証明は決められた処理場を確実に利用していることを実証。加えて経路をチェックすることで、処理場に向かう途中で不法投棄されていないか、正規のルートを通っているかなどを確認することができる。
携帯電話を活用して経路まで確認できるサービスは国内でも初めてだという。時間を指定すればリアルタイムに経路確認ができるため、排出地点から現時点の経路がいつでも確認できる。サービスは有料で、月額9500円。パケット料が別途かかるが、同社では「1日4時間で20日利用しても月5,000円程度で、サービス料を合わせても15,000円程度で済む。GPS機器などの大掛かりな設備投資も不要で、低コストで利用できる」としている。
これに加えて同社は排出事業者が処理業者選定の際の基準となるサービス「えこ評価」を排出事業者の要請を受けて順次開始している。廃棄物管理体制の構築、委託業者の選定基準作りをサポートするサービスで、基礎評価プラン1件5,000円から受け付ける。
最近は条例等で排出事業者に処理場の現地視察を義務付ける自治体が増えている。しかし現地視察は年1回程度など限られたものであるため、塚本社長は、「現地視察に加えてえこ評価を利用することで安全性は高まるが、一時的なてんでも管理に成る。えこ証明を使ってその間を埋めることで線での管理が可能になる」と話す。
同社は無料で産廃の実績報告書が作成できるインターネット上の紙・電子マニフェスト併用システム「えころび」を運用しており、これと今回のサービスをリンクさせていく考えだ。
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